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★4月1日(土)関根秀樹 火起こしから始める「たき火」ワークショップ

2023-03-16

Tag :

 『縄文時代は火を起こすのも難しく、
とても不便な生活だったのでしょうか?

逆に、モノの溢れている現代の方が不便だと私は思っています』
原始技術史研究者 和光大学非常勤講師 関根秀樹


takibi.jpg 

面白いだけで無くとても大切なことを経験する日になります
知識の宝庫関根先生と過ごす「火起こし&研ぎ」これは絶対楽しい!

分で木を拾ってきて「焚き火」したことって有りそうで無かったかも。
まして自分で火をおこしたことなんて・・・

一口に焚き火をするといっても、今まで経験の無いことを沢山
しなければ、ちょっと出来ないかもしれませんよ。
だってどんな木を集めれば良いのかも最初は分かりませんから。
人によっては初めてナイフやナタを使うかも。
そこは当然発見の連続です。

今回のイベントは、ちゃんと「焚き火」をして、料理もして
実験もして、音で遊んだり、語ったり、ぼんやりしたり・・
詳しいプログラムスケジュールはありません。
参加された方の自然発生的な流れに任せています。

たき火+刃物
回は特別講座のおまけ付き!
希望者には『
ナイフや包丁の研ぎ講座』もやります。

ピンと来た方、どうぞお待ちしております。

関根先生からのメッセージ

焚き火ワークショップへの招待



40年以上も前の話だが、1980年代の初め、ぼくは和光大学で岩城正夫先生の「原始技術史」を学び、古代火起こしや石器作り、土器作りの実験や普及に取り組んでいた。
文学科の古典文学専攻だったから古典もまじめにやっていたし、工業デザイナー秋岡芳夫先生のところにも週1~2くらい通っていた。
まだ「火起こし世界チャンピオン」ではなかったが、ウツギの枝と杉板をキリモミ式で擦り合わせ、7秒で火種ができるくらいにはなっていた。
火の神話や火の科学、技術史、文化史全般に興味がわいて古今東西の文献を読み漁ってもいた。
昭和19年、戦争末期の物資不足の時代には柳田国男の『火の昔』をはじめ、『火の科学』や『家庭燃料の科学』な火に関する本がたくさん出版され、焼夷弾の種類や消し方を詳しく書いた本もあった。
フレイザー『火の起源の神話』とか、『古事記』『日本書紀』『古語拾遺』、『論語』、仏典の『涅槃経』なんかにも、古代の発火法や火の技術文化が垣間見える。
発火法は摩擦や火打石ばかりでなく、水晶レンズや反射鏡の光学式もあれば、化学的な発火法もある。
ぼくらが福島県の田舎で、小学5年の科学クラブに入って最初に習ったのは塩素酸カリと黒砂糖に濃硫酸を一滴たらして発火炎上させる実験。
同じ時期に富山の小学校で、2002年のノーベル化学賞受賞者田中耕一さんは、この実験で科学のおもしろさに目覚めたという。
これは近代マッチの発明以前に1805年フランスのJ・シャンセルが発明した浸酸マッチ「即席発火箱」や、1828年に英国のS・ジョーンズが売り出した「プロメチアン」マッチの原理であり、ナチス占領下のパリでノーベル化学賞のF・ジョリオ・キュリーが学生レジスタンスに広めた着発火炎弾のレシピでもある。
砂場で砂鉄とアルミ粉の混合物をマグネシウムリボンで点火し鉄を作るテルミット反応の実験は焼夷弾の基本原理でもあったし、炎色反応や火薬ロケットの実験も好きだった。
こういうちょっと危険な香りのするダイナミックな科学実験こそ、科学が好きになるきっかけになる。
危険だからとアルコールランプをなくした日本の公教育には絶望しかないが。

覚えたてで毎日のように火起こしの実験をしていた1年生の時、別の大学に行っていた安積高校物理部時代の同級生が、山尾三省の「火を焚きなさい」という詩を教えてくれた。
唐の詩聖杜甫に、珍しい素材での火起こしを記録した「清明二首」という詩がある。
4月の初旬、陰暦3月の初めは、二十四節季の清明(せいめい)に当たる。
日本ではあまりなじみがないが、周の時代から続く墓参りの日で、沖縄や中国や韓国などでは重要な節日だ。沖縄ではシーミーと呼ぶ。
周代には仲春(陰暦2月あるいは啓蟄~清明の前日まで)に家の中の火を一斉に消し、柳の枝をこすって清く新しい火を起こす「改火」にそなえた。
『論語』にある鑽燧改火とは、木燧(火切り杵)を鑽(キリモミ摩擦)して火をあらためるということ。
朝鮮李朝では19世紀まで改火の儀式を行っていた。
日常使い続けた火はケガレるので、1年ごとに摩擦や火打石で清らかな新しい火を起こす。
浄火とか忌火(いみび)などと呼ぶそうした風習はアジアにもヨーロッパにもあった。

唐の大暦4年(769年)、57歳になった最晩年の杜甫は左遷され南方の成都(四川省)や荊州江陵(長江中流域)など漂泊の果てに清明節の時期に潬州(現在の湖南省長沙)に赴く。
「朝来新火起新煙」で始まる一首目のあと、二首目の後半に、「家人鑽火用青楓」とある。
都のある黄河流域ならば春の清明にはニレや柳の枝を擦って火を起こすのに、南方の辺境では青楓の枝を用いて火を起こしていたというのだ。
柳の枝の樹皮は緑色(古代には青の範疇)で、五行説では春に対応する。
青楓というのは、若枝が青い(緑色)のフウの木の枝を使ったということだろう。
ちなみに中国語の楓という漢字は、カエデではなく、フウの木のこと。
この詩の解釈では青楓を青葉のついたカエデだとか、生のカエデを使ったとかいう説がまかり通っている。
ふつう文学研究者は火起こしなど知らないからしかたないことなのだが。
渋谷の桑沢デザイン研究所近くにフウの木の街路樹があり、剪定した若枝には不定形の茶色い随がある。
1年以上乾燥したのがあるから、今回は季節がら、柳とフウと、両方を使って火を起こしてみよう。
4月30日には恩師岩城正夫先生(93歳)との対談とワークショップをする予定。
その話もしようか。
関根秀樹


関根秀樹 『焚き火ワークショップ』

【募集要項】

日時: 2023年4月1日(土)  雨天決行
     13時~19時くらいまでを予定
     (早退は自由です)
   
会費:大人 8000円  
家族参加
未就学児 無料  小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円

募集:15名前後 
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。

会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度 
    (集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)

食事: 各自「芋」「肉」「野菜」など焼きたいものをご持参下さい。
    アルコールの持ち込み可
会への差し入れ、参加される方々への飲み物、食べ物大歓迎です。

お申し込み ⇒ 
申込は締め切りました

●当日の服装について
薄手のダブダブ起毛素材は着衣火災の危険性があるので不可。
薄手のポリエステル、ナイロン100%の服、フリースなども火の粉で
穴が開いたり火傷をする場合があります。
上着は綿や毛が50%以上の厚手素材が安全です。
多少汚れたり煙の臭いがついてもいい服装でお越しください。
日よけ帽子、手拭い、タオル、軍手なども有ると便利です

会場は屋外ですので、暑さ寒さ対策、紫外線対策等お忘れ無く!

・その他 同意事項
講習会中の怪我や事故等には十分お気をつけ下さい。
決してご無理をなさらずご自身の体調をご判断の上ご参加下さい。
イベント開催中の発病・怪我・事故・盗難などについての責任は負いかねますので予めご了承下さい。
事前に傷害保険、レジャー保険等に加入していただくなど、ご自身の責任において対応して頂きますようお願いいたします。
イベント中は講師およびスタッフ指示及び当該施設の利用規約をお守り下さい。
お申し込みをキャンセルされる場合は、開催日5日前より所定のキャンセル料が発生します。
詳細は申込フォームの最終確認ページでご確認の上お申し込み下さい。

関根秀樹プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演


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プロフィール

TC.Academy.2021

Author:TC.Academy.2021
-------------------------
必然といえる偶然から出会った、
トップアスリートを支える
プロフェッショナルな人達と
関わりを持つようになって
20年以上になります。

自らが彼らにアドバイスを受け、
自身の心身に大きな変化を生じ、現在に至るまで日々進展中。
アドバイスを受ける毎に驚きがあります。

私のもらった感動やノウハウを
今度は多くの方々と共有したいという思いにかられ、直接プロフェッショナルの彼らから指導を受けられる講習会などを企画運営しています。

最初は知人から伝えはじめ、
今ではアスリート、アーティスト、学生、主婦あらゆるカテゴリーの分野のみなさんに参加頂いています。

私自身は身体を使う競技者経験はありません。
アーティストやコーチングプロなどのマネージング、プロデュースを生業にしています。

プロフェッショナルを支えるプロフェッショナルの彼らの独自のノウハウは、ジャンルの枠を超えて物事の本質に一歩近づく気づきを得られるものかもしれません
2011.7.1

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