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★10月17日(土)関根秀樹 『関根秀樹の雑学の授業~龍を屠るワザの系譜~』

2020-10-04

Tag :

学と呼ばれる宝物たち
雑学と一括りにするには、あまりに惜しい
本当は知らなければならない、知っていなければならない事がきっと沢山あるハズです。 

歩くエンサイクロペディア関根先生が本年度2月に開催された
「くらしの中のカガク 民俗科学への招待」に続き
お届けする今回のテーマは・・・・


龍を屠るワザの系譜

さて、今回はどんなお宝話が出て来るでしょうか?

関根秀樹ワールドご一緒に如何ですか?
ピンと来た方、どうぞお待ちしております。


企画者の北川智久氏からのメッセージ

『まだ知られていないと思うこと』

ここ数年で、関根先生のアウトドアや焚き火のワークショップが面白いことは、大分皆様に伝わったと思います。

そして、工作、ブッシュクラフトについても楽しいことが伝わったのではないでしょうか。

しかしまだ関根先生の「講義の面白さ」は伝わっていないと思います。

私は学生時代にも、卒業してからも関根先生の講義を聞いています

講義ですから話が中心になる訳ですが、ただ頭が膨らんで終わるような内容ではありません。

自分が何かをしたり調べたりする時に、どこかに行った際に、より深く学ぶ手がかりになるようなアイデアやポイントを教えてもらっています。

今回の講義が、皆様の今後の研究や旅、フィールドをより豊かにするきっかけになることを願っております。

北川


★10月17日(土)関根秀樹 『関根秀樹の雑学の授業』

日時: 2020年10月17日(土)
    13:10-16:00 (途中休憩を挟みます)

会場:タワーホール船堀 会議室「306」
アクセス:都営新宿線「船堀」駅前 徒歩1分
   
会費: 一般 8000円 
/ 専門学校、大学生 6000円
(家族申込)
中学生 3000円 / 高校生 4000円 /


募集:15名前後 
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。


お申し込み ⇒ 申込フォームへ


関根秀樹先生からのメッセ-ジ

学ぶという言葉は「まねぶ」、まねをすることから来ています。 習うは「なれる」、つまり、とりあえずできるまでくりかえしやってみることから。 日本の「勉強」といういやな言葉は、 中国語ではようやく、やっとのことで、というニュアンスで、 学ぶという意味はないようです。 漢字の勉も強も、がんばる、努める、無理する、やらされる、という雰囲気が強く、 主体的に楽しく学ぶイメージはありません。 古代ギリシャで学ぶことを意味した「パイデイア」という言葉には、 もともと遊ぶというニュアンスも含まれていました。 ギリシャの自由市民にとって、学ぶことは最高の遊び。 江戸の町でも算術、数学は庶民の遊びの一つでしたし、 漢学、国学、仏教学、蘭学、医学、本草学などを学ぶ人が、 一方で絵や俳句、狂歌、川柳などに遊び、 戯作(今でいう漫画かラノベ)をものしたりするのも、ごく普通のことでした。 「白河の清きに魚も棲みかねて もとの濁りの田沼恋しき」と太田南畝の狂歌で揶揄され、 教科書や漫画ではお堅いイメージばかりの松平定信(老中、白川藩主)なんかも、 詩歌、狂歌や浮世絵や洋画や科学実験を楽しみ、 西洋銅版画のパトロンになったり、洋書をもとにトランペットを作らせたり、 未刊ながら戯作も書いています。 現代で言うなら、とびきり優秀な副総理大臣の書いたラノベ。読んでみたいですね。 定信は文字通り文武両道で、起倒流柔術や砲術、弓術の達人でもあり、 白河藩の失伝した剣術流派を伝書をもとに復原し、 柔術を組み合わせた技術体系に改変したり。 とにかく多芸多才な趣味人だったようです。 西洋コンプレックスに凝り固まった明治以降の日本の学習観からは、 こうした遊びの要素がすっかり抜け落ちてしまい、 理系、文系や芸術系、体育系の分離教育も進み、 他分野の有機的なつながりをもった学びの世界が衰退してしまいました。 

一つの道にわき目もふらずまっしぐら、というのも重要ですが、 少なくとも、子どものころからずっと一つの道だけ、というのは 非常に危うく、また広がりも深みもないものになりがちです。   ぼくは現在、和光大学では「火と人間の文化史」「音と楽器のミンゾク学」。 多摩美術大学では日本画と油画の「絵の具実習」。 桑沢デザイン研究所では「プロダクトデザイン論」という授業を担当しています。 しかし、小中学校の図工や音楽の成績は2。 高校では選択科目で死んでも美術はやりたくなかったのでしかたなく音楽を選び、 成績は十段階評価で最低の1でした。 得意科目は国語古文漢文と化学。中学ではバレー部と地学部。 高校では茶道と物理部。 そして大学は文学科の古典専攻だったので、 絵の具はまったくの独学です。 プロダクトデザインも、工業デザイナーの秋岡芳夫先生にあこがれ、 著書は全部読み、十数年間お世話になりましたが、 少なくともデザインについてちゃんと習ったことは一度もありません。 小学校の時から、年に500冊の本と、数百冊のマンガを読み、 おそらく今までに2万5千冊くらいの本は読んでいます。 古事記とか風土記とかは100回以上。 漫画も数千冊は読んでいるはず。 岩城正夫先生に学んだ火起こしなど原始技術史の世界も、 手を使った試行錯誤だけだと、不器用で段取りが悪く、作業がのろいぼくでは、 人の何倍も時間がかかってしまい、いつまでたってもらちが明かない。 そこで、学生時代、実験体験と並行して、とことん文献を調べ、補強する、 という自分なりのスタイルを模索しました。 

中学のバレー部でのトレーニングでも、 東ドイツの影響を受けた全日本男子バレーのやり方に工夫を加え、 レペティショントレーニングや北欧のファルトレク・トレーニングに 忍者の修行法なども取り入れて、かなり無茶なことをやっていました。 中学1年で過労で腎臓炎になり、右ひじの粉砕骨折3回。 中学3年で垂直跳び95㎝、腕立て伏せ700回。30秒で80回といえば、 どのくらい無茶かわかると思います。 (ちなみに、ギネスの腕立て伏せの記録は1万回以上です) だから高校以来40年近く筋トレなんかやっていない60歳の今も、 片手で20回くらいはできるわけです。 変化球サーブのために流体力学の本を読み、 大会でサーブだけで1セット取ったこともありますが、 戦績は県南大会1回戦敗退が最高の弱小チームでした。 ぼくの研究したい対象は、ネットに情報がほとんどありません。 現代語訳のない古文や、日本語訳のない漢文は、ぼくにとって宝の山です。 荘子による故事成語に「屠龍の技」というのがあります。 莫大なお金と時間をかけて龍を殺すワザを身につけたが、 龍などどこにもいないのでまったく役に立たなかった、という故事に基づく言葉。 江戸時代の俳人、小栗百万の号の一つは屠龍工で、字面は龍を殺すワザの達人という意味。実際には「何の役にも立たないすごいワザの達人」という、とぼけた雅号です。 江戸琳派の祖、酒井抱一が狂歌や浮世絵、美人画などに使った号も屠龍。 抱一の名がそもそも老子から採ったものなので、老荘好きだったんでしょうね。 こういうユーモアを解さず、荘子を読んだこともない人たちが名付けたのが、 第二次大戦末期の川崎重工二式複座戦闘機キ45改。愛称・屠龍です。 体当たり攻撃でB-29を何機かは落としたようですが。   ぼくのスタンスは、役に立たなくても面白ければOK。 小学校の時から平賀源内や南方熊楠が好きだったぼくにとっては、 雑学こそが最高の遊びです。 今回は、調べたいこと、学びたいことについて、 どんなふうに本や資料を探し、どのように読んでいくか。 

百学連環の考え方について。 何かを作るとき、どのような手順で考え、デザインし、形にしていくか。 トレーニングやフィールドワークの方法についても、具体的にお話しします。 カラハリのブッシュマンは、子どもたちへの狩猟の伝授で、 ことばを一切発しません。 「教育とは、教えられたすべてのことを忘れ去ったのちに 残るなにものかのことである。」とはカール・ヒルティの言葉ですが、 教えたがる教師の教えは、残らないことが多いのも確かです。 ぼくのやり方はぼくだけのやり方で、まねしてもいいことはありません。 こういうやり方もあるんだ、くらいで、 自分にあったやり方を見つけてください。  
関根秀樹


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講師プロフィール
関根秀樹:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演

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プロフィール

TC.Academy.2021

Author:TC.Academy.2021
-------------------------
必然といえる偶然から出会った、
トップアスリートを支える
プロフェッショナルな人達と
関わりを持つようになって
20年以上になります。

自らが彼らにアドバイスを受け、
自身の心身に大きな変化を生じ、現在に至るまで日々進展中。
アドバイスを受ける毎に驚きがあります。

私のもらった感動やノウハウを
今度は多くの方々と共有したいという思いにかられ、直接プロフェッショナルの彼らから指導を受けられる講習会などを企画運営しています。

最初は知人から伝えはじめ、
今ではアスリート、アーティスト、学生、主婦あらゆるカテゴリーの分野のみなさんに参加頂いています。

私自身は身体を使う競技者経験はありません。
アーティストやコーチングプロなどのマネージング、プロデュースを生業にしています。

プロフェッショナルを支えるプロフェッショナルの彼らの独自のノウハウは、ジャンルの枠を超えて物事の本質に一歩近づく気づきを得られるものかもしれません
2011.7.1

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