★2月8日(土)関根秀樹 「くらしの中のカガク 民俗科学への招待」
2020-01-08
- Category : 関根秀樹
Tag :
知識の玉手箱、関根先生のワークショップへようこそ!
関根ワールド全開、興味深い図版や映像、実験もあります!
今回は皆様とカガクについて考えたいと思います。
武術や身体技法を学んでいますと、カガクは無関係ではありません。
前後関係は省きますが、稽古のために水素について調べる必要もありました。
それから、マンガやアニメを楽しむにもカガクの知識が必要な世の中でもあります。
エントロピーが分からないと、魔法少女の希望と絶望の相転移のシステムがよく分からないです。
また石化から復活した人類が
「そそるぜこれは!」
と言っていますが、実はよく分からず、雰囲気でごまかしている自分もいます。
厨ニ病をやるのも楽ではありません。
という訳で、一緒に勉強しましょう!
北川
関根秀樹 「くらしの中のカガク 民俗科学への招待」
【募集要項】
日時: 2020年2月8日(土)
14時~17時半くらいまでを予定
(遅れての参加早退可能です)
会費:大人 8000円
家族参加
未就学児 無料 小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円
募集:25名前後
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。
会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度
(集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)
会場は室内です。
お申し込み ⇒

講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演
職人のワザ、カン、先人の知恵、ちゃんと伝わってますか?
今の教育では殆ど教わることの無いジャンルを
身近な生活の中の道具や技術も参考に掘り下げてみましょう
今回は皆様とカガクについて考えたいと思います。
武術や身体技法を学んでいますと、カガクは無関係ではありません
前後関係は省きますが、稽古のために水素について調べる必要もあ
それから、マンガやアニメを楽しむにもカガクの知識が必要な世の
エントロピーが分からないと、魔法少女の希望と絶望の相転移のシ
また石化から復活した人類が
「そそるぜこれは!」
と言っていますが、実はよく分からず、雰囲気でごまかしている自
厨ニ病をやるのも楽ではありません。
という訳で、一緒に勉強しましょう!
北川
関根秀樹 「くらしの中のカガク 民俗科学への招待」
【募集要項】
日時: 2020年2月8日(土)
14時~17時半くらいまでを予定
(遅れての参加早退可能です)
会費:大人 8000円
家族参加
未就学児 無料 小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円
募集:25名前後
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。
会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度
(集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)
会場は室内です。
お申し込み ⇒




関根先生からのメッセージ
近代科学技術や公教育の世界では取り上げられにくいこうしたものを、
どう評価し、次代に受け継いでいくか。
体験的な伝達は必須だし、それに付随した口伝(くでん)もある。
しかし、今の時代、それだけでは先細りが目に見えている。
1982年頃だったか、工業デザイナーの秋岡芳夫先生は、
「文系、理系、いろんな角度から再検討して、
科学的に理論化できる部分、数値化できる部分はしていかないと」
とウイスキーを片手に言った。
「確かにそれは大事だと思いますけど、だれがやるんですか?」
とぼくがきくと、
「何言ってんの。そんなの君がやるんだよ!」
高校3年の時、『日本の手道具 失われゆくひとつの文化』に出会い、
秋岡さんの著書を片っ端から読み、心酔していたぼくは、
上京と同時に、中野にあった秋岡さんが主宰するグループ・モノモノの
「モノモノ・サロン」に出入りするようになった。
その後、和光大学では芭蕉のゼミと記紀万葉論のゼミに所属するのだが、
一方で高木仁三郎、小原秀雄、板倉聖宣先生らの講義を受け、
教育学では森田俊男先生にずっとついて回り、
平和教育や自由民権百年イベントなどのお手伝いもしていた。
ぼくは基本的に心酔した人の著作は片っ端から読みまくる。
理系も文系も芸術系もおかまいなし。
本にお金を使いすぎるから、学生時代も映画とかコンサートとかには
特殊なもの以外、ほとんど縁がなかった。
ケネス・アンガーのシュールレアリスム映画祭とか、
紅龍&ひまわりシスターズ(のちの上々颱風)とか。
神田神保町の古書店街や大学の図書館、
その付録のデザイナーが秋岡さんだったとは当時知る由もなかったが。
小学校は科学クラブ。中学はバレー部と地学部、文芸部。
高校では男子校の茶道部と物理部だった。
そしてあの時代、理科室や薬品庫のカギは部長なら自由に借り出し、
昼休みや放課後は自由に実験できた。
「あぶない実験はするなよ!」「はーい先生(ペロッ)!」てなもんだ。
ペグマタイト鉱物の産地として知られた福島県石川郡で生まれ育ったから、
3歳の頃には石集めが趣味だった。
祖母や母の影響で小学4~5年の頃は薬草に興味を持ち、
『原色薬用植物図鑑』なんかを擦り切れるほど読んでいた。
植物成分から火薬の原料が抽出できる可能性もこの図鑑で気づき、
理科室で実際にやってみた。
考えてみたら、文献で徹底的に調べて実験してみる、というスタイルは、
小学校の時から基本的に変わっていない。
物理教育や科学技術史、技術論の立場から古代技術にアプローチし、
ひたすら実験し、しかも熟練によって実験の精度を上げていくという
岩城正夫先生の研究は、非常に新鮮でおもしろく、理科少年の好奇心を刺激した。
ただ、どんなにあこがれ、夢中になっても、秋岡芳夫や岩城正夫らは
子どものころからの工作の天才で、発明家に近いような人たちだ。
不器用で仕事がのろいぼくが同じようなアプローチを試みても、
そうは上手くいかない。
とにかく、やってみる。試行錯誤しながら考える。
それまでそこそこ熟練するまでやったことがあるものといえば、
中学時代、鮎原こずえに憧れて挑んだバレーの変化球サーブと回転レシーブ。
ミュンヘンの男子バレートレーナーだった斎藤勝先生の『バレーボールのトレーニング』や東ドイツ、ソビエト、北欧などのトレーニング理論に学んだ筋トレ。
ぼくの運動能力や筋力のピークはバレー部の大会が終わったあとの15歳。
6年生まで運動音痴でろくにスポーツもやらなかったのが、
ほぼ2年半で急激に無謀なトレーニングをしたせいで、
1年の時は過労で腎臓炎になったし(薬草で自分で治した)、
肘も腰も壊したまま。
垂直飛びで95㎝跳べても、背が低いので高校で続ける気にはならなかった。
トレーニングも身体の構造、動きの構造がある程度わかっていると、
地味な筋トレも楽しくできる。
人気のない男子バレーで、よその部をやめそうなやつを
引き抜いて作ったチームだったから、なおのこと。
いかにわかりやすく理論化し、数値化し、やる気にさせるか。
父の本棚から発達心理学や教育心理学の本を引っ張り出し、
たまに来てくれる先輩たちは、ありがたい人もいれば、
「もう来んな!」と言いたくなるようなのもいた。
急造チームにコンビネーションバレーは無理なので、
徹底的にサーブなど個人技を鍛え上げ、
結果として、先輩たちが成し遂げられなかった地区大会優勝。
個人的にはサーブで1セット取ったのがうれしかったが、
これも流体力学や弾道学の応用だった。
スポーツでも料理でも、音楽や絵画でさえも、
世の中の多くのものごとは、物理や化学である程度理解できる場合がある。
もちろん、それですべてがわかるわけはないのだが。
ただ、日本のように理系・文系・技術系・芸術系・体育系などが分離した教育体系では、
化学や物理の世界、もっと早くには理科の世界から疎外されてしまった人も多い。
算数、数学も、英語も、古文漢文なんかもそうかもしれない。
数式や化学式、元素記号が出てきただけで、心理的にシャットアウトし、そこから先は思考停止してしまう。
理系・工学系の入門書で、わかりやすさをうたった本でも、
文系の人間にはとてつもなくわかりにくいものが多い。
それぞれの分野で、専門分野の人は、それ以外の分野の人たちが
何がわかっていないのか、何が苦手なのか、想像すらできないのだろう。
古典文学の楽しさを多くの理系人間が理解できないことが、
古典好きには理解できないように。
酒飲みが下戸の気持ちを理解できず、
喫煙者がタバコのにおいが嫌いな人を理解できないように。
今回はカガクの入門編ということで、身近な生活の中の道具や技術について、
文系でも興味がもてるような図版や映像、実験など取り入れながら、
できるだけわかりやすくお話ししようと思います。
あまり期待しないでね。
関根秀樹
くらしの中のカガク 民俗科学への招待
おばあちゃんの知恵、老職人のカン、古くから伝えられてきたワザなど。
近代化、西洋化、都市化の中で失われてきたもの。
失われつつあるもの。
おばあちゃんの知恵、老職人のカン、古くから伝えられてきたワザ
近代化、西洋化、都市化の中で失われてきたもの。
失われつつあるもの。
近代科学技術や公教育の世界では取り上げられにくいこうしたもの
どう評価し、次代に受け継いでいくか。
体験的な伝達は必須だし、それに付随した口伝(くでん)もある。
しかし、今の時代、それだけでは先細りが目に見えている。
1982年頃だったか、工業デザイナーの秋岡芳夫先生は、
「文系、理系、いろんな角度から再検討して、
科学的に理論化できる部分、数値化できる部分はしていかないと」
とウイスキーを片手に言った。
「確かにそれは大事だと思いますけど、だれがやるんですか?」
とぼくがきくと、
「何言ってんの。そんなの君がやるんだよ!」
高校3年の時、『日本の手道具 失われゆくひとつの文化』に出会い、
秋岡さんの著書を片っ端から読み、心酔していたぼくは、
上京と同時に、中野にあった秋岡さんが主宰するグループ・モノモ
「モノモノ・サロン」に出入りするようになった。
中学3年の時の福岡正信『わら一本の革命』と同じくらいの、
人生観が変わるほどの出会いだった。
人生観が変わるほどの出会いだった。
その後、和光大学では芭蕉のゼミと記紀万葉論のゼミに所属するの
一方で高木仁三郎、小原秀雄、板倉聖宣先生らの講義を受け、
教育学では森田俊男先生にずっとついて回り、
平和教育や自由民権百年イベントなどのお手伝いもしていた。
ぼくは基本的に心酔した人の著作は片っ端から読みまくる。
理系も文系も芸術系もおかまいなし。
本にお金を使いすぎるから、学生時代も映画とかコンサートとかに
特殊なもの以外、ほとんど縁がなかった。
ケネス・アンガーのシュールレアリスム映画祭とか、
紅龍&ひまわりシスターズ(のちの上々颱風)とか。
神田神保町の古書店街や大学の図書館、
それに文学科の佐伯研究室が根城だったが、
2年の時からは原始技術史の岩城正夫先生の研究室と、
理科実験室も根城になった。
小学生のころから年に500冊くらいの本と、マンガもそれくらい読んでいた。
文学少年だったが、同時に理科少年でもあり、
1年生の時から学研の『科学』は毎月楽しみにしていた。
2年の時からは原始技術史の岩城正夫先生の研究室と、
理科実験室も根城になった。
小学生のころから年に500冊くらいの本と、マンガもそれくらい
文学少年だったが、同時に理科少年でもあり、
1年生の時から学研の『科学』は毎月楽しみにしていた。
その付録のデザイナーが秋岡さんだったとは当時知る由もなかった
小学校は科学クラブ。中学はバレー部と地学部、文芸部。
高校では男子校の茶道部と物理部だった。
そしてあの時代、理科室や薬品庫のカギは部長なら自由に借り出し
昼休みや放課後は自由に実験できた。
「あぶない実験はするなよ!」「はーい先生(ペロッ)!」てなも
ペグマタイト鉱物の産地として知られた福島県石川郡で生まれ育っ
3歳の頃には石集めが趣味だった。
祖母や母の影響で小学4~5年の頃は薬草に興味を持ち、
『原色薬用植物図鑑』なんかを擦り切れるほど読んでいた。
植物成分から火薬の原料が抽出できる可能性もこの図鑑で気づき、
理科室で実際にやってみた。
考えてみたら、文献で徹底的に調べて実験してみる、というスタイ
小学校の時から基本的に変わっていない。
物理教育や科学技術史、技術論の立場から古代技術にアプローチし
ひたすら実験し、しかも熟練によって実験の精度を上げていくとい
岩城正夫先生の研究は、非常に新鮮でおもしろく、理科少年の好奇
先生も間口の広い読書家で、研究室にいろんな分野の本があるのも楽しかった。
ただ、どんなにあこがれ、夢中になっても、秋岡芳夫や岩城正夫ら
子どものころからの工作の天才で、発明家に近いような人たちだ。
不器用で仕事がのろいぼくが同じようなアプローチを試みても、
そうは上手くいかない。
とにかく、やってみる。試行錯誤しながら考える。
ただし、本当に試行錯誤だけだと
遅すぎるので、僕の場合はとにかく文献や民俗例などを調べ、徹底的に調べ、
ある程度頭で理解しながらやらないとなかなか前へ進めない。
遅すぎるので、僕の場合はとにかく文献や民俗例などを調べ、徹底
ある程度頭で理解しながらやらないとなかなか前へ進めない。
それまでそこそこ熟練するまでやったことがあるものといえば、
中学時代、鮎原こずえに憧れて挑んだバレーの変化球サーブと回転
ミュンヘンの男子バレートレーナーだった斎藤勝先生の『バレーボ
それにヌンチャクくらいのものだった。
ぼくの運動能力や筋力のピークはバレー部の大会が終わったあとの
6年生まで運動音痴でろくにスポーツもやらなかったのが、
ほぼ2年半で急激に無謀なトレーニングをしたせいで、
1年の時は過労で腎臓炎になったし(薬草で自分で治した)、
肘も腰も壊したまま。
垂直飛びで95㎝跳べても、背が低いので高校で続ける気にはなら
トレーニングも身体の構造、動きの構造がある程度わかっていると
地味な筋トレも楽しくできる。
人気のない男子バレーで、よその部をやめそうなやつを
引き抜いて作ったチームだったから、なおのこと。
いかにわかりやすく理論化し、数値化し、やる気にさせるか。
父の本棚から発達心理学や教育心理学の本を引っ張り出し、
内発的動機付けやスパイラルラーニングなんぞも援用して指導した。
顧問の教師がほとんど来てくれなかったので、
部長とコーチとトレーナー兼任のようなもの。
顧問の教師がほとんど来てくれなかったので、
部長とコーチとトレーナー兼任のようなもの。
たまに来てくれる先輩たちは、ありがたい人もいれば、
「もう来んな!」と言いたくなるようなのもいた。
急造チームにコンビネーションバレーは無理なので、
徹底的にサーブなど個人技を鍛え上げ、
結果として、先輩たちが成し遂げられなかった地区大会優勝。
個人的にはサーブで1セット取ったのがうれしかったが、
これも流体力学や弾道学の応用だった。
スポーツでも料理でも、音楽や絵画でさえも、
世の中の多くのものごとは、物理や化学である程度理解できる場合
もちろん、それですべてがわかるわけはないのだが。
ただ、日本のように理系・文系・技術系・芸術系・体育系などが分
化学や物理の世界、もっと早くには理科の世界から疎外されてしま
算数、数学も、英語も、古文漢文なんかもそうかもしれない。
数式や化学式、元素記号が出てきただけで、心理的にシャットアウ
理系・工学系の入門書で、わかりやすさをうたった本でも、
文系の人間にはとてつもなくわかりにくいものが多い。
それぞれの分野で、専門分野の人は、それ以外の分野の人たちが
何がわかっていないのか、何が苦手なのか、想像すらできないのだ
古典文学の楽しさを多くの理系人間が理解できないことが、
古典好きには理解できないように。
酒飲みが下戸の気持ちを理解できず、
喫煙者がタバコのにおいが嫌いな人を理解できないように。
今回はカガクの入門編ということで、身近な生活の中の道具や技術
文系でも興味がもてるような図版や映像、実験など取り入れながら
できるだけわかりやすくお話ししようと思います。
あまり期待しないでね。
関根秀樹
お申し込み ⇒
講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演