4月14日(土) 関根秀樹 「焚き火ワークショップと料理の一日」
2018-03-02
- Category : ワークショップ
Tag :
『縄文時代は火を起こすのも難しく、
とても不便な生活だったのでしょうか?
逆に、モノの溢れている現代の方が不便だと私は思っています』
原始技術史研究者 和光大学非常勤講師 関根秀樹
もの凄く面白く大切なことを経験する日になります!
自分で木を拾ってきて「焚き火」したことって有りそうで無かったかも。
まして自分で火をおこしたことなんて・・・
一口に焚き火をするといっても、今まで経験の無いことを沢山
しなければ、ちょっと出来ないかもしれませんよ。
だってどんな木を集めれば良いのかも最初は分かりませんから。
人によっては初めてナイフやナタを使うかも。
そこは当然発見の連続です。
今回のイベントは、ちゃんと「焚き火」をして、料理もして
実験もして、音で遊んだり、語ったり、ぼんやりしたり・・
詳しいプログラムスケジュールはありません。
参加された方の自然発生的な流れに任せています。
ピンと来た方、どうぞお待ちしております。・プロデュサーの北川先生からのメッセージ
皆様こんにちは。
北川です。
今回も焚き火をします。
色々と焼いて食べましょう。
また関根先生が、 いつもと違った面白いこともしてくださるそうです。
楽しみですね!
焚き火初心者も大歓迎です。
気軽にお越しください。
以下、関根先生からの講師挨拶文をご紹介いたします。
焚き火ワークショップへのおさそい
和光大学&多摩美術大学講師 関根秀樹
答えようにも、だれも確かな答えなど出せやしない。 われらは何処から来て、何方へ行こうとしているのか?
『 ルバイヤート』 ウマル・ハイヤーム(1048~1131)より関根訳
D'o? Venons Nous Que Sommes Nous O? Allons Nous 我々はどこから来たのか? 我々は何者なのか? われわれは どこへ行くのか?
ポール・ゴーギャン(1897年タヒチにて)
ヒト(人間)は長い長い間、火とともにありました。
食べ物を煮炊きするため。夜の闇を照らし、暖をとるため。
ものを加工し、森を焼き払って農地や村を作り、そして、信仰や、 戦争のために。火を使うのはヒト(人間)だけ、というのが近代「 文明人」の常識でした。
もちろん、 各地の神話や民俗伝承には火を使う鳥や獣が登場しますし、 ヒトの誕生以前にも落雷や火山の噴火、 枯草や泥炭層の自然発火による森の火事は頻繁にありました。
小原秀雄先生(動物学・人間学)によれば、 野性動物が火を恐れるというのは半分ウソ。 火事の焼け跡でこんがり火が通った木の実や根菜類を好んで食べ、 類人猿の子どもが山火事跡に燃え残った火を枝でつついて遊んでい る例も報告されています。
ジョージア大学の研究室で生まれ育ったボノボ( ピグミーチンパンジー)のカンジは、 33歳までに焚き木を集めて細い小枝を折って積み上げ、 ライターやマッチで火を点け、 マシュマロを小枝に刺して焼く技術を身につけました。一方、 マッチも擦れず、焚き火も満足にできない日本の大学生……。 40年前、「刃物も満足に使えねえ今どきの学生は“類猿人”だ! 」と言い放った秋岡芳夫先生( 手仕事や手道具の研究や保護に尽力した工業デザイナー) の声を思い出します。
今年(2018)1月、 オーストラリアに火を使って狩りをする鳥がいるという科学ニュー スが世界を駆け巡りました。
トビやハヤブサが火のついた小枝をくわえて運び、 草むらに投下して火をつけ、逃げ出した小動物を狩るわけです。
京都の伏見稲荷では2013年にカラスが境内の樹木を焼くボヤ騒 ぎが起きました。 火のついた蝋燭をくわえて飛び去るカラスが住民に目撃され、 注意喚起の看板は今も残っています。
オーストラリア先住民アボリジニ( 主なルーツは南インド系という説が有力) には火を運ぶ鳥の神話や伝承がありましたが、欧米の学者たちは「 文献記録がない」ことを理由に100年以上も事実とは認めず、 調査もしませんでした。 論文としての体裁さえ整えて記載されれば内容がパクリでも捏造で も学問的には通用し、 アカデミズムとは無関係な先住民族の伝承は無視。
パプアニューギニア高地で1万年前の作物栽培の遺跡が見つかった 時も、欧米を中心としたアカデミズムは「 そんな辺境の未開民族が古代にそんなことをできたはずがない」 と、無視し続けました。はじめて石器や弓矢を作ったのも、 初めて火を起こしたのも、初めて舟を作ったのも、彼らが言う「 未開」な人々なのに。
自然とヒト(人間)をつなぐもの 火
近代以降のさまざまな問題の根源は、自然と、 本来自然の一部であったはずのヒト(人間)とが、 大きく乖離してしまったことにあります。自然の中で多くの神々( 精霊たち。英語のGod を神と翻訳したのは大きな誤りで、日本には本来、 Godにあたる概念はありません。また、 漢語の神や現代中国語の神も、 日本人が思うカミサマではありません) に囲まれて生かされている、という自然観、人間観からは、 環境破壊や原子力発電所、核兵器などはそう簡単に生まれません。
人間だけが唯一神に選ばれた特別な存在、「万物の霊長」 として自然を支配し収奪できると考える西洋近代の自然観( 中世の教会支配の反動でもあります) が世界を蝕んできたからこそ、現在のボロボロの地球があり、 日本があります。
便利さは進歩です。しかし、行き過ぎた便利さは文化を破壊し、 人間の能力や精神や、可能性をも衰退させてしまいます。 現代文明の進歩は、 一方で祖先たちには確かにあった全人的な能力の退化、 人間の劣化をも意味してきたのではないでしょうか。
科学や技術が複雑化、高度化しブラックボックス化していく中で、 地域や風土に根ざした伝統的な生活技術、 木や竹や石や水や火など自然に直に接する等身大の知恵や文化は急 速に失われました( 武術などの身体や心のありかたもそうでしょう)。それらをいま、 自らの手と道具を使って追体験しながら学ぶ一連の作業は、 閉塞した現代の文化や文明を問い直し、人間(ヒト)、 あるいは日本人の来し方と行く末を考える上でもひとつのヒントと なるかもしれません。
アイヌの火の女神アベフチカムイも、沖縄の火の神ピヌカン( フィヌカン)も、東北の竈神や、荒神なども、 神々と人間との境界であり媒介者です。
ならば、乖離した自然と人間、 自然と文明とをもう一度結びつけるきっかけ、 人間の意識を変えるきっかけとなる可能性もまた、 火とのつき合い方にあるのではないでしょうか。
まずは摩擦での火起こし体験や焚き火料理あたりから、 始めてみましょう。今回は、 フィリピンのルソン島先住少数民族アエタの竹を使ったノコギリ式 発火法や、なども実験します。
関根秀樹
関根秀樹 『焚き火ワークショップと料理の1日』
【募集要項】
日時: 2018年4月14日(土) 雨天決行
13時~19時くらいまでを予定
(早退は自由です)
会費:大人 8000円
家族参加
未就学児 無料 小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円
募集:25名前後
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。
会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度
(集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)
食事: 各自「芋」「肉」「野菜」など焼きたいものをご持参下さい。
アルコールの持ち込み可
会への差し入れ、参加される方々への飲み物、食べ物大歓迎です。
お申し込み ⇒ 申込フォームへ
●当日の服装について
薄手のダブダブ起毛素材は着衣火災の危険性があるので不可。
薄手のポリエステル、ナイロン100%の服、フリースなども火の粉で
穴が開いたり火傷をする場合があります。
上着は綿や毛が50%以上の厚手素材が安全です。
多少汚れたり煙の臭いがついてもいい服装でお越しください。
日よけ帽子、手拭い、タオル、軍手なども有ると便利です
会場は屋外ですので、寒さ寒さ対策、紫外線対策等お忘れ無く!
・その他 同意事項
講習会中の怪我や事故等には十分お気をつけ下さい。
決してご無理をなさらずご自身の体調をご判断の上ご参加下さい。
イベント開催中の発病・怪我・事故・盗難などについての責任は負いかねますので予めご了承下さい。
事前に傷害保険、レジャー保険等に加入していただくなど、ご自身の責任において対応して頂きますようお願いいたします。
イベント中は講師およびスタッフ指示及び当該施設の利用規約をお守り下さい。
講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演
とても不便な生活だったのでしょうか?
逆に、モノの溢れている現代の方が不便だと私は思っています』
原始技術史研究者 和光大学非常勤講師 関根秀樹

もの凄く面白く大切なことを経験する日になります!
自分で木を拾ってきて「焚き火」したことって有りそうで無かったかも。
まして自分で火をおこしたことなんて・・・
一口に焚き火をするといっても、今まで経験の無いことを沢山
しなければ、ちょっと出来ないかもしれませんよ。
だってどんな木を集めれば良いのかも最初は分かりませんから。
人によっては初めてナイフやナタを使うかも。
そこは当然発見の連続です。
今回のイベントは、ちゃんと「焚き火」をして、料理もして
実験もして、音で遊んだり、語ったり、ぼんやりしたり・・
詳しいプログラムスケジュールはありません。
参加された方の自然発生的な流れに任せています。
ピンと来た方、どうぞお待ちしております。・プロデュサーの北川先生からのメッセージ
皆様こんにちは。
北川です。
今回も焚き火をします。
色々と焼いて食べましょう。
また関根先生が、
楽しみですね!
焚き火初心者も大歓迎です。
気軽にお越しください。
以下、関根先生からの講師挨拶文をご紹介いたします。
焚き火ワークショップへのおさそい
和光大学&多摩美術大学講師 関根秀樹
答えようにも、だれも確かな答えなど出せやしない。 われらは何処から来て、何方へ行こうとしているのか?
『
D'o? Venons Nous Que Sommes Nous O? Allons Nous 我々はどこから来たのか? 我々は何者なのか? われわれは どこへ行くのか?
ポール・ゴーギャン(1897年タヒチにて)
ヒト(人間)は長い長い間、火とともにありました。
食べ物を煮炊きするため。夜の闇を照らし、暖をとるため。
ものを加工し、森を焼き払って農地や村を作り、そして、信仰や、
もちろん、
小原秀雄先生(動物学・人間学)によれば、
ジョージア大学の研究室で生まれ育ったボノボ(
今年(2018)1月、
トビやハヤブサが火のついた小枝をくわえて運び、
京都の伏見稲荷では2013年にカラスが境内の樹木を焼くボヤ騒
オーストラリア先住民アボリジニ(
パプアニューギニア高地で1万年前の作物栽培の遺跡が見つかった
自然とヒト(人間)をつなぐもの 火
近代以降のさまざまな問題の根源は、自然と、
人間だけが唯一神に選ばれた特別な存在、「万物の霊長」
便利さは進歩です。しかし、行き過ぎた便利さは文化を破壊し、
科学や技術が複雑化、高度化しブラックボックス化していく中で、
アイヌの火の女神アベフチカムイも、沖縄の火の神ピヌカン(
ならば、乖離した自然と人間、
まずは摩擦での火起こし体験や焚き火料理あたりから、
関根秀樹
関根秀樹 『焚き火ワークショップと料理の1日』
【募集要項】
日時: 2018年4月14日(土) 雨天決行
13時~19時くらいまでを予定
(早退は自由です)
会費:大人 8000円
家族参加
未就学児 無料 小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円
募集:25名前後
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。
会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度
(集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)
食事: 各自「芋」「肉」「野菜」など焼きたいものをご持参下さい。
アルコールの持ち込み可
会への差し入れ、参加される方々への飲み物、食べ物大歓迎です。
お申し込み ⇒ 申込フォームへ
●当日の服装について
薄手のダブダブ起毛素材は着衣火災の危険性があるので不可。
薄手のポリエステル、ナイロン100%の服、フリースなども火の粉で
穴が開いたり火傷をする場合があります。
上着は綿や毛が50%以上の厚手素材が安全です。
多少汚れたり煙の臭いがついてもいい服装でお越しください。
日よけ帽子、手拭い、タオル、軍手なども有ると便利です
会場は屋外ですので、寒さ寒さ対策、紫外線対策等お忘れ無く!
・その他 同意事項
講習会中の怪我や事故等には十分お気をつけ下さい。
決してご無理をなさらずご自身の体調をご判断の上ご参加下さい。
イベント開催中の発病・怪我・事故・盗難などについての責任は負いかねますので予めご了承下さい。
事前に傷害保険、レジャー保険等に加入していただくなど、ご自身の責任において対応して頂きますようお願いいたします。
イベント中は講師およびスタッフ指示及び当該施設の利用規約をお守り下さい。
講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演