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5月3日(火・祝) 関根秀樹 「焚き火ワークショップ」

2016-04-14

もの凄く面白く大切なことを経験する日になります!

自分で木を拾ってきて「焚き火」したことって有りそうで無かったかも。
まして自分で火をおこしたことなんて・・・

一口に焚き火をするといっても、今まで経験の無いことを沢山
しなければ、ちょっと出来ないかもしれませんよ。
だってどんな木を集めれば良いのかも最初は分かりませんから。
人によっては初めてナイフやナタを使うかも。
そこは当然発見の連続です。

今回のイベントは、ちゃんと「焚き火」をして、料理もして
実験もして、音で遊んだり、語ったり、ぼんやりしたり・・
詳しいプログラムスケジュールはありません。
参加された方の自然発生的な流れに任せています。

ピンと来た方、どうぞお待ちしております。





焚き火ワークショップへのおさそい

『火 失われゆく技術文化のいま』
                    和光大学非常勤講師 関根秀樹

35年前の和光大学で岩城正夫先生がプロゼミ「原始技術を復原する」を開講していたとき、石器や弓矢、吹き矢、火起こしの道具などを作ることは、学生にとって未知なる「知的実験」でもありました。
ただ、そうした道具を作る作業は、それまでの経験、体験の延長であり、完成で火が起きるまでを100とすれば1~5くらいからの出発だったと思います。
どんな形であれ、1年以内に火を使ったことのない学生はいませんでした。

原発を増やすために作られたオール電化住宅が普及し始めた10数年前からでしょうか、私の「火の人間史」の授業で、ナイフも包丁も火も使ったことのない学生が増えてきました。昨年はとうとう、小学校の理科の授業からアルコールランプが消えました。 「危ないから」と。 日教組の教育研究集会で、道具を満足に使えない子どもが増え、「手が虫歯になった」という報告があったのは1970年代のことでした。 「子どもに刃物を使わせない運動」などの成果でしょう。いま、授業は0からどころか、マイナスからの出発です。
想像力があったらやらないだろう!というような危険な使い方を平気でやってケガをしたりノコギリやナイフをダメにする学生がとにかく多いのです。

やはり35年前、秋岡芳夫先生は共立女子大生活デザイン科の授業で、ぞうきんの絞りかたや竹とんぼの作り方を教え、ナイフを研がせました。
多摩美術大学の名物ゼミ「自然文化史」では、俳人でもある宮下太郎先生が茅葺きの移築民家の中で火を焚き、山菜などを料理しお茶を点ててくれました。
和光大3年の時でしょうか、秋岡先生のところで知り合った宮下先生に呼ばれ、初めて授業のお手伝いに行った時、「関根君、最近の多摩美の学生はねえ、杉と松の区別もつかないんだよ」と嘆いていました。彫刻の朝倉文夫の内弟子時代、最初に、そしてずっとやらされたのは庭の手入れだったそうで、「庭いじりができない者に彫刻はできない」が朝倉の持論だったそうです。

最近の多摩美でも、ナイフが使えない学生は増え、作業効率は30年前よりはるかに低下しています。 和光大ではヒモギリ式、あるいは弓ギリ式の摩擦火起こし器を作り、火を起こし、焚き火をします。 その道具がもう自分で一からは作れず、ほぼ7~8割できたキットを使わざるを得ません。 
民族楽器の授業で竹を伐りに行っても、15年前の学生なら20メートルの竹を長いままなんとか工夫して踏切を越えてきましたが、ここ数年は4分の1に切っても途中で「重すぎる」と言い出します(特に男子学生)。
昨年、枝を削って「削り掛け」の焚き付けを作らせたら、70人中2人だけ、とんでもなく上手いプロ級の学生がいました。2人ともタイからの留学生で、高校では勉強が忙しくてできなかったが、子どもの頃はよく木を削って遊んだそうです。おそらく、100年前、200年前の日本の田舎の子どもたちも、彼らと同じ程度の力量はあったのでしょう。

編著『焚き火大全』(創森社)が出たとき、予想に反して多くの新聞・雑誌の書評に好意的に取り上げられ、椎名誠が私の書いた部分だけパクッたDVDを出して(海外の読者からバレた)謝罪広告が出たり廃盤になったり、おもしろい反響はありました。東北大震災では、寒さの中、膨大な木材を前に立ちすくむ都市住民と、いち早く大きな焚き火をして暖を採り、生存者を呼び集め生活を立て直そうとした漁村と、反応は大きく分かれたようです。 いま、『焚き火大全』に続く焚き火の本を書いていますが、現実の日本では焚き火の文化は衰退する一方です。 都市部ではそもそも焚き火ができる場所がありませんし、調理にガスを使わない家庭も増えています。 焚き火はいずれ、民俗学の教科書に載るようになるのかもしれません。

5月のワークショップでは、焚き木を集め、ナイフや鉈で焚き付けを作り、摩擦発火具や火打石で火を点けます。
焚き木の組み方、炉のしつらえ方、鍋の吊るし方など、さまざまな伝統技術も体験しましょう。特に、東南アジアや南アジアの驚異的な火吹竹のしくみ(ダイソンの羽根なし扇風機と同じ原理)と、それを応用した関根式火吹竹の作り方はぜひおぼえてください。 
なによりも、ただ火を囲み、火を見つめる、のんびりした非日常の時間と空間を楽しみましょう。
焼きたいもの、食べたいものがあったら各自持ってきてください。
木を削るナイフや鉈など、愛用の道具があるかたはご持参ください。
少しですが、ハマグリ刃に研ぎ上げたナイフや剣鉈なども販売します。
                                             関根秀樹

※木工竹細工にも使いやすいフォールディング(折り畳み式)ナイフと、頑丈なフィクストブレード(折り畳みでない)のナイフをいくつか入手し、日本刀のような切れ味と刃持ちを両立させるハマグリ刃に研ぎ上げました。
当日販売と、追加注文も可能です。
アフガニスタンの女性が護身に使った100年ほど昔の貴重な沙張(青銅に近い合金)製かんざし(寸鉄や蛾眉子のような使い方)も入手しました。
これも興味ある方に販売します。



関根秀樹 『焚き火ワークショップ』

【募集要項】

日時: 2016年5月3日(火)  雨天決行
     13時~19時くらいまでを予定
     (早退は自由です)

会費:大人 8000円  家族参加応相談
未就学児 無料  小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円

募集:30名前後
会場: 小田急線鶴川駅付近 
    (集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)

食事: 各自「芋」「肉」「野菜」など焼きたいものをご持参下さい。
    アルコールの持ち込み可

申込みフォームへ

【リンク先の申込みページに移動できない(表示されない)場合】
お名前・住所・人数・電話番号をご記入の上、
下記メールアドレスまでお申し込みをお願い致します。

宛先  tc.academy.2011@gmail.com

●当日の服装について
薄手のダブダブ起毛素材は着衣火災の危険性があるので不可。
薄手のポリエステル、ナイロン100%の服、フリースなども火の粉で
穴が開いたり火傷をする場合があります。
上着は綿や毛が50%以上の厚手素材が安全です。
多少汚れたり煙の臭いがついてもいい服装でお越しください。

・その他
会への差し入れ、参加される方々への飲み物、食べ物大歓迎です。

講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演

6月1日 関根秀樹先生と豪華ゲスト陣による「武術と音楽の集い」

2014-05-24

Tag : 関根秀樹

            武術と音楽の集い

日本人の耳??? 右脳・左脳論の誤解と拍子、無拍子
                                           関根秀樹

日本人、特に理系の学問に縁薄い人たちは、ちょっと科学っぽい香りをまとった疑似科学に弱い。
逆に文化史や雑学的教養の乏しい理系バカは、オウム真理教事件の例を見るように、
精神世界やトリックに弱い。

学問が極端に細分化された現代では、STAP細胞の例を見ても周辺分野の専門家でさえ
真贋の見極めは容易ではない。

アジア人でありながら根っこを失い「黄色いアングロサクソン」に成り下がった日本人は、
日本人を世界でも独特な存在と見立てる「日本人論」に弱い。

失われた日本人独自の歩法(?)ナンバ歩きは水田稲作の作業から生まれたという説がある。
しかし、7~8世紀から水田稲作が盛んだったスペインのバレンシア近郊や北イタリアのポー川流域の
歩法を語る人はいないし、アフリカやシベリアの踊りにナンバはあっても水田はない。

1977年に出た岩波新書『日本の耳』(小倉朗著)は、日本文化と音の感受性や身体性を史的に探り、
武智鉄二のナンバ論を紹介した画期的な本だっ た。
(甲野善紀先生の処女作『表の体育 裏の体育』が1986年)

当時かなり広範囲に読まれ、影響を受けた人も多いが、後半、角田忠信(脳生理学?)の
いわゆる「右脳・左脳論」を紹介し、世間に大きな誤解を撒き散らすことにもなった。

「日本人は脳の音を感じる部位(右と左)が世界でも独特で、音感やリズム感、豊かな感受性も
日本語を使う日本人だけのもの」という説だ。

欧米人の脳は風の音、虫の音、単母音などを言葉として認識できず雑音として処理し、
日本人だけが単母音や虫の 声、風の音を言語として、声として聞くことができるのだという。

角田博士の論文(1973年)や著書『日本人の脳』(1978年、大修館)は欧米では「日本人論」の
一つとしてしか取り上げられず、まともに評価 する脳の専門家は昔も今もほとんどいない
(引用数を見れば一目瞭然)。

実験方法がそもそも彼だけしかやらない(他の専門家が見向きもしない)特殊な方法で、
評価法も彼にしかわからず、反証可能性がない。
つまり、科学の体をなしていないのだ。

右脳・左脳(正しくは大脳右半球・左半球)機能局在論の誤った観念はロジャー・スペリー
(1981年にノーベル生理学・医学賞受賞)の「分離脳」研究を歪曲、拡大解釈する人々によって広まった。

スペリーの研究対象は脳の右半球と左半球をつなぐ脳梁の切断手術を受けたてんかん患者の脳だけ で、
スペリー自身が健常者の脳には適用できないと断言している。

つまり、右脳・左脳論ははじめから科学的には否定されていたのだが、生半可な学者や不勉強な
マスコミ文化人の紹介で日本の社会には大きな誤解が広まったまま。
今も「感性を高める右脳教育」だの、「豊かな耳を育てる」高級オーディオ機器メーカーなんかの商売に
都合よく利用され続けている。

角田論文から40年が経った今も、某有名国立大学では、物理の教授がまことしやかに授業で紹介し、
学生にウソを教えている始末。
これも脳にはド素人の薬学畑の人らしい。こういう人たちがいるから日本ではいつまで経ってもウソが
拡大再生産されるのだ。

武術の修行過程でも聴覚は重要だという。
リズム感が悪いと上達しにくいという話はよく聞くし、拍子とか間とかいう音楽用語もよく耳にする。

見よう見まねでろくに理論などなかった武術の世界が、先行して理論構築がなされていた踊りや
音楽の考え方を取り入れたのだろう。

拍子や間というリズム感についても、日本人の脳は特殊だという人がいる。
日本庭園の「ししおどし」が日本独自のものと思い込んでいる文化人は多い が、
独特の「間」で打ち鳴らす水力利用の音響装置は、田畑の害獣害鳥除けから穀搗き臼
(福島県のポンカラ、岩手のバッタリなどの仲間)まで、アジアの各地に昔からある。

風力利用の音響装置としてはバリ島のスナリやピンジャカン、古代ギリシャの
エオリアンハープなども有名だ。

いわゆる西洋的な拍節感(リズム)のない馬子唄、追分節のような民謡はアジアにいくらでもあるし、
「日本にはほとんどなかった」3拍子のリズム は、南無阿弥陀仏の念仏や南無妙法蓮華経の題目として
千年近くも日本人の身体に染みついている。

子どもたちの「わらべうた」にはさまざまな変拍子も根強く残っているのだから、
幼児期のピアノ教室や幼稚園、学校での歪んだ音楽教育で耳と身体感覚を損なわなければ、
「世界でも特殊な感受性」など持ち出すまでもなく、自然の中で生きてきた人間の耳、
人間の感受性の基礎は持っているはずなのだ。

小川のせせらぎ、木の葉のさやぎ、打ち寄せる波の音、石ころのきしみ、鳥や虫の音。
こうした自然の音に対する繊細な情感も日本人だけのもの?ふざけたことを言わないで欲しい。
小川や木々や海は日本にしかないのか?鳥や虫たちは西洋にはいないとでもいうのか?
これでは何でもかんでも韓国起源にしたがる最近の韓国ナショナリズムと同レベルではないか。

音からさまざまなイメージを描く能力を持たない民族などどこにいるのだろう?
18~19世紀欧米のナチュラルヒストリーやロマン主義文学、ネイチャーライティングの作品を一読すれば、
西欧の文人、詩人たちがいかに自然を愛し、自然の音に鋭敏に聞き入り、イメージを膨らませていたか
わかり そうなものだ。

「さんさんと降り注ぐ」「しんしんと積もる」などの擬音語 や擬態語も日本人だけが古来から持つ
優れた聴覚によって生まれた日本固有の音の表現というのも的外れだ。

同じ音を重ねる反復音のオノマトペ・擬音・擬態語は、東南アジアや南アジア、ポリネシア、
メラネシア、アフリカまで、どこにでも、いくらでもある。

「日本語は世界一音の響きの美しい言語」という人もいる。
強弱のアクセントが少ない日本語はアクセントのきつい言語から見たらやわらかく感じることはあるだろう。

ただ、欧米人や中国人がそういう感想を持つのはいいが、日本人がそれを言うのはどうなんだろう?
ヨーロッパで「イタリア語は神に 捧げる言葉。
フランス語は恋人たちの言葉。
ドイツ語は馬の言葉」という言い方があるが、フランス語を美しいと思っている人は日本人にも多い。

東北人の私には美しい女性の京言葉はやわらかく響くし、八重山方言やフィリピンのカンカナイ族
(かつての首狩り族)の言葉を初めて耳にしたとき、その 響きのやさしさ、美しさに息を呑んだ。

河内のおっさんのまくしたてるだみ声や甲高く耳障りな名古屋弁を「世界一美しい響き」という人は
いないが、あれも日本語。
濁音が多くアクセントもきつくゴツゴツした鹿児島弁や北東北の方言も日本語だ。

脳の情報処理の特殊性に由来する「日本人の耳」など存在しない。音感やリズム感は民族性よりも
胎児期~幼児期、少年期の環境や経験に大きく左右さ れる。

スギやヒノキや畳のイグサの香りを「臭い」と感じる大学生を育てたのも、米を洗剤で洗う新妻を育てたのも
日本の家庭環境なのだ。

今回は武術と音楽に通底する拍子、リズムを中心に、日本文化の中の音についてお話しします。
また、変拍子やポリリズム(複合リズム)、無拍子(自 由リズム)などについて、理論だけでなく、
映像や楽器などの体験を通して実感してもらいます。

かつて和光大で開講していた「音響人類学」の講座で 学生に人気だった特殊な音響実験もまじえ、
おそらくこれまでに体験したことのない音の世界にみなさんを招待します。
そうです。
これからしばらくの間、あなたの耳はあなたの身体を離れて、この不思議な時間の中に入って行くのです。



プロデューサー北川氏からのメッセージ

皆様こんにちは。
北川智久です。

大好評「武術と音楽の集い」の二回目です。
お待たせいたしました。

今回も前半は関根秀樹先生による民族音楽の講座です。

後半は懇親会 兼 自由稽古会です。
豪華ゲストも参加されます。

武術が好きな方も、音楽が好きな方も、よく分からないけどピンと来た方も、奮ってご参加ください!

申込みフォームへ



関根秀樹先生と豪華ゲスト陣による「武術と音楽の集い」

【募集要項】

日時: 平成26年6月1日(日)
スケジュール: 
11:00~12:30 武術家のための民族音楽講座 part1
12:30~13:00 食事休憩 (各自お弁当等ご持参下さい)
13:00~14:30 武術家のための民族音楽講座 part2
14:45~17:00 懇親会 兼 自由稽古会(ゲスト有り) 
*時間割は流れによって変更する場合があります。ご了承ください。

会場: 小田急線鶴川駅付近 屋内施設
    (お申し込み、お問い合せ時にお知らせ致します)

募集人数: 30名程度(先着順)
講習会参加費: \8000 

懇親会への差し入れ(飲み物、食べ物)大歓迎です。


講師プロフィール
関根秀樹:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に、『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(以上は創和出版)、
『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)、『焚き火大全』(創森社、編著)、
『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演


ゲスト陣からの一言です。

「武術と音楽の集い」に向けて。

この度も「武術と音楽の集い」にゲスト講師として御招きいただきますが、
アクマで一参加者として今から楽しみにしております!

前回は前回で大変面白かったのですが、今回は前回とは一味違う発見があることが予感され、
私の中からも何が湧き出てくるかが全く予想できません。

とにかく、世界中の異なる文化圏での音楽、踊り、身体の使い方、武術的な動き、を
関根秀樹先生の希少な映像コレクションから見せていただけると思うだけで興奮します!

関根秀樹先生は私の書籍の中では「首狩り族と生活した民族楽器と火起こしのプロ」と
紹介させて頂いたと思いますが、その他にも化学、古典文学、クラフトワーク、各文化圏における
刃物の研究、製鉄技法、刃物の作り方と研ぎ方、等々と一を聞けば十どころか気を付けなければ
此方の許容範囲を越えて百返ってくる先生です。

この様な先生の視点から見た世界にある各文化圏での音楽、踊り、身体の使い方、
武術・武道に関する講座ですので面白くない訳がありません!

私の方も調子が出て来て乗ってきましたら武術の即興講座をしたいかと思います。

何が起こるか本当に分かりませんが、皆様と御一緒できますこと楽しみにしております!

光岡 英稔

---------------

僕がフィリピンで感じたのは、そもそも音楽と武術は一体だったんだと言うことでした。
それがまたここで感じられるはずです。

嘉陽与南

---------------

「3時間の講座でみることのできる民族音楽の貴重な資料数々をもし自分で探すとなったら、
どれだけの時間がかかるのだろう。 関根先生の解説付きも魅力!」

甲野陽紀

8月12日(土) 関根秀樹 「焚き火ワークショップ」

2011-08-12

もの凄く面白く大切なことを経験する日になります!

自分で木を拾ってきて「焚き火」したことって有りそうで無かったかも。
まして自分で火をおこしたことなんて・・・

一口に焚き火をするといっても、今まで経験の無いことを沢山
しなければ、ちょっと出来ないかもしれませんよ。
だってどんな木を集めれば良いのかも最初は分かりませんから。
人によっては初めてナイフやナタを使うかも。
そこは当然発見の連続です。

今回のイベントは、ちゃんと「焚き火」をして、料理もして
実験もして、音で遊んだり、語ったり、ぼんやりしたり・・
詳しいプログラムスケジュールはありません。
参加された方の自然発生的な流れに任せています。

ピンと来た方、どうぞお待ちしております。


・プロデュサーの北川先生からのメッセージ

皆様こんにちは。
北川です。
お待たせしました。焚き火をしましょう。
肉や野菜などを焼いたり、音楽を楽しんだり、よい一日にしましょう!
北川



以下、関根先生からの講師挨拶文をご紹介いたします。

この挨拶分は前回のものです。よって当日は内容に差異がある場合があります。
予めご了承ください。

関根先生は現在、電話やメールの無い生活を謳歌されています。



焚き火ワークショップへのおさそい

『火 失われゆく技術文化のいま』
                    和光大学非常勤講師 関根秀樹

35年前の和光大学で岩城正夫先生がプロゼミ「原始技術を復原する」を開講していたとき、石器や弓矢、吹き矢、火起こしの道具などを作ることは、学生にとって未知なる「知的実験」でもありました。
ただ、そうした道具を作る作業は、それまでの経験、体験の延長であり、完成で火が起きるまでを100とすれば1~5くらいからの出発だったと思います。
どんな形であれ、1年以内に火を使ったことのない学生はいませんでした。

原発を増やすために作られたオール電化住宅が普及し始めた10数年前からでしょうか、私の「火の人間史」の授業で、ナイフも包丁も火も使ったことのない学生が増えてきました。昨年はとうとう、小学校の理科の授業からアルコールランプが消えました。 「危ないから」と。 日教組の教育研究集会で、道具を満足に使えない子どもが増え、「手が虫歯になった」という報告があったのは1970年代のことでした。 「子どもに刃物を使わせない運動」などの成果でしょう。いま、授業は0からどころか、マイナスからの出発です。
想像力があったらやらないだろう!というような危険な使い方を平気でやってケガをしたりノコギリやナイフをダメにする学生がとにかく多いのです。

やはり35年前、秋岡芳夫先生は共立女子大生活デザイン科の授業で、ぞうきんの絞りかたや竹とんぼの作り方を教え、ナイフを研がせました。
多摩美術大学の名物ゼミ「自然文化史」では、俳人でもある宮下太郎先生が茅葺きの移築民家の中で火を焚き、山菜などを料理しお茶を点ててくれました。
和光大3年の時でしょうか、秋岡先生のところで知り合った宮下先生に呼ばれ、初めて授業のお手伝いに行った時、「関根君、最近の多摩美の学生はねえ、杉と松の区別もつかないんだよ」と嘆いていました。彫刻の朝倉文夫の内弟子時代、最初に、そしてずっとやらされたのは庭の手入れだったそうで、「庭いじりができない者に彫刻はできない」が朝倉の持論だったそうです。

最近の多摩美でも、ナイフが使えない学生は増え、作業効率は30年前よりはるかに低下しています。 和光大ではヒモギリ式、あるいは弓ギリ式の摩擦火起こし器を作り、火を起こし、焚き火をします。 その道具がもう自分で一からは作れず、ほぼ7~8割できたキットを使わざるを得ません。 
民族楽器の授業で竹を伐りに行っても、15年前の学生なら20メートルの竹を長いままなんとか工夫して踏切を越えてきましたが、ここ数年は4分の1に切っても途中で「重すぎる」と言い出します(特に男子学生)。
昨年、枝を削って「削り掛け」の焚き付けを作らせたら、70人中2人だけ、とんでもなく上手いプロ級の学生がいました。2人ともタイからの留学生で、高校では勉強が忙しくてできなかったが、子どもの頃はよく木を削って遊んだそうです。おそらく、100年前、200年前の日本の田舎の子どもたちも、彼らと同じ程度の力量はあったのでしょう。

編著『焚き火大全』(創森社)が出たとき、予想に反して多くの新聞・雑誌の書評に好意的に取り上げられ、椎名誠が私の書いた部分だけパクッたDVDを出して(海外の読者からバレた)謝罪広告が出たり廃盤になったり、おもしろい反響はありました。東北大震災では、寒さの中、膨大な木材を前に立ちすくむ都市住民と、いち早く大きな焚き火をして暖を採り、生存者を呼び集め生活を立て直そうとした漁村と、反応は大きく分かれたようです。 いま、『焚き火大全』に続く焚き火の本を書いていますが、現実の日本では焚き火の文化は衰退する一方です。 都市部ではそもそも焚き火ができる場所がありませんし、調理にガスを使わない家庭も増えています。 焚き火はいずれ、民俗学の教科書に載るようになるのかもしれません。

このワークショップでは、焚き木を集め、ナイフや鉈で焚き付けを作り、摩擦発火具や火打石で火を点けます。
焚き木の組み方、炉のしつらえ方、鍋の吊るし方など、さまざまな伝統技術も体験しましょう。特に、東南アジアや南アジアの驚異的な火吹竹のしくみ(ダイソンの羽根なし扇風機と同じ原理)と、それを応用した関根式火吹竹の作り方はぜひおぼえてください。 
なによりも、ただ火を囲み、火を見つめる、のんびりした非日常の時間と空間を楽しみましょう。
焼きたいもの、食べたいものがあったら各自持ってきてください。
木を削るナイフや鉈など、愛用の道具があるかたはご持参ください。
少しですが、ハマグリ刃に研ぎ上げたナイフや剣鉈なども販売します。
                                             関根秀樹

※木工竹細工にも使いやすいフォールディング(折り畳み式)ナイフと、頑丈なフィクストブレード(折り畳みでない)のナイフをいくつか入手し、日本刀のような切れ味と刃持ちを両立させるハマグリ刃に研ぎ上げました。
当日販売と、追加注文も可能です。
アフガニスタンの女性が護身に使った100年ほど昔の貴重な沙張(青銅に近い合金)製かんざし(寸鉄や蛾眉子のような使い方)も入手しました。
これも興味ある方に販売します。



関根秀樹 『焚き火ワークショップ』

【募集要項】

日時: 2017年8月12日(土)  雨天決行
     13時~19時くらいまでを予定
     (早退は自由です)

会費:大人 8000円  
家族参加
未就学児 無料  小学生 2000円 中学生 3000円 高校生 4000円

募集:25名前後
*中学生以下の単独、及び複数でのご参加はご遠慮下さい。

会場: 小田急線鶴川駅付近徒歩10分程度 
    (集合場所をお申し込み確認メールにてお知らせ致します)

食事: 各自「芋」「肉」「野菜」など焼きたいものをご持参下さい。
    アルコールの持ち込み可
会への差し入れ、参加される方々への飲み物、食べ物大歓迎です。

●当日の服装について
薄手のダブダブ起毛素材は着衣火災の危険性があるので不可。
薄手のポリエステル、ナイロン100%の服、フリースなども火の粉で
穴が開いたり火傷をする場合があります。
上着は綿や毛が50%以上の厚手素材が安全です。
多少汚れたり煙の臭いがついてもいい服装でお越しください。
日よけ帽子、手拭い、タオル、軍手なども有ると便利です

会場は屋外ですので、日差し対策、熱中症対策お忘れ無く!

・その他 同意事項

講習会中の怪我や事故等には十分お気をつけ下さい。
決してご無理をなさらずご自身の体調をご判断の上ご参加下さい。
イベント開催中の発病・怪我・事故・盗難などについての責任は負いかねますので予めご了承下さい。
事前に傷害保険、レジャー保険等に加入していただくなど、ご自身の責任において対応して頂きますようお願いいたします。
イベント中は講師およびスタッフ指示及び当該施設の利用規約をお守り下さい。

講師プロフィール
:和光大学や多摩美術大学、桑沢デザイン研究所などの非常勤講師も務めるフリーの研究者&ライター。
主な著書に『新版 民族楽器をつくる』『竹でつくる楽器』(創和出版)、『縄文人になる』(山と渓谷社 ヤマケイ文庫)『焚き火大全』(創森社、編著)、『刃物大全』(ワールドフォトプレス)などがある。
教育出版の中学校音楽教科書にも執筆。
※NHK教育『スコラ坂本龍一 音楽の学校』にも出演

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プロフィール

TC.Academy.2021

Author:TC.Academy.2021
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必然といえる偶然から出会った、
トップアスリートを支える
プロフェッショナルな人達と
関わりを持つようになって
20年以上になります。

自らが彼らにアドバイスを受け、
自身の心身に大きな変化を生じ、現在に至るまで日々進展中。
アドバイスを受ける毎に驚きがあります。

私のもらった感動やノウハウを
今度は多くの方々と共有したいという思いにかられ、直接プロフェッショナルの彼らから指導を受けられる講習会などを企画運営しています。

最初は知人から伝えはじめ、
今ではアスリート、アーティスト、学生、主婦あらゆるカテゴリーの分野のみなさんに参加頂いています。

私自身は身体を使う競技者経験はありません。
アーティストやコーチングプロなどのマネージング、プロデュースを生業にしています。

プロフェッショナルを支えるプロフェッショナルの彼らの独自のノウハウは、ジャンルの枠を超えて物事の本質に一歩近づく気づきを得られるものかもしれません
2011.7.1

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